ミサイルの勉強部屋

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あなたが知った情報は安全ですか?【情報操作と印象操作の話】

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 私は昔、印象操作だとか情報操作という言葉を知りませんでした。だから当然テレビやほとんど読まなかった新聞などの情報をちゃんと考えずに鵜呑みにしていたわけです。情報を流している側の目的やバックグラウンドなどを考えなかったわけです。

 

ですが、今は違います。間抜けな私でも成長はします。情報に触れる度に、発信者側の目的を考えるようになりました。考えたところで答えは知りませんが。最低限、自分で考えてみることは出来るようになりました。

 

街頭インタビューとかいうのも信用できなくなりました。サンプルが偏っていますし、サクラという可能性もありますしね。そんなこんなでニュースを見なくなりました。広告もあまり見たくありません。

 

なぜなら、いくら思わず笑ってしまうような内容でも商品の質はよくわからないからです。すぐ目の前にたくさんの広告があふれています。しかし、そのたくさんの罠から完全に逃れることは出来ないでしょう。

 

それでも相手の思うがまま影響を受け続けたくありません。多少なりとも免疫はつけたいものです。対抗するにはやはり発信者側の使う罠を知らなければなりません。どうやって私たちに影響を与え、私たちをひっかけるのかをご紹介します。

 

 

 

イラスト、音楽で注意を逸らせる

 広告には楽しい音楽とイラストが付きものです。確かにただ説明されるされるより記憶にも残りやすく分かりやすいでしょう。

 

私もできるだけ楽しく面白い広告が見たいです。ですが、楽しい音楽とイラストには注意が必要です。私たちは相手が説得しようとしているときや商品を売り込もうとしていると多少なり身構えるはずです。

 

そして、相手の話に乗せられないように頭の中で断る理由を探すことでしょう。可能な限り反論しようと考えるわけです。ですが、このような考えは歌などで破壊されるでしょう。やはり相手が抵抗するということを発信者側は知っているはずです。だから音楽やイラストなどで気を逸らせようとします。

 

受け取る側は広告の内容と音楽やイラストを同時に頭で処理しきれなくなり、反論が難しいものになります。こうすることで理由の弱い説明内容は通りやすくなります。

 

時間の圧縮 

 もう1つ注意を逸らせる方法があります。それは時間を短くするのです。もう少し詳しく説明すると広告のスピードを少々早くするというものです。

 

速いスピードで語られれば、遅くゆっくりと内容を考えたい私たちは理解が追い付かなくなります。100キロのボール目が慣れてきた状態で150キロのボールを打ち返すのが難しいのと同じ理屈です。マシンガントークで説明されでも話に追いつくのがやっとなはずです。

広告を早くすれば論拠の弱い内容でも効果は上がるでしょう。相手の判断力も鈍るはずです。

 

事実の捏造

 嘘を流して大衆を混乱させることは悪意にある人にとって望むところでしょう。私達はそのような情報に運悪く触れてしまうとどうしても振り回されてしまいます。嘘の情報に振り回されるのに私達はそれを嘘だと気づきませんし、その真偽を確かめたがりません。

 

これはごく一般的なことでネットを開けばそこら中に転がっていることでしょう。「真実が靴を履いている間に、噓は地球の裏側まで旅する」という言葉もあるくらいです。嘘は真実という仮面をかぶり、あたかも事実のように扱われます。それでも私達はその嘘に案外好意的なのかもしれません。

 

私達は証拠によって寄与されないような嘘の事実でも事実として決めてしまいからです。

 

何もその嘘の内容も正々堂々としている必要はありません。正々堂々としていても効き目はありますが、示唆するような匂わせ程度でも影響はあります。なるほど、これはやっただけ効果はあるので悪い人は使わない手はないでしょう。

 

何とかの疑惑とか何とかかもしれないと言うだけでやられ側はダメージを受けるわけです。示唆程度の言葉は気を付けましょう。それでも私達はその嘘を信じてしまいがちです。それには理由が3つあります。]

 

①真実か否かをよく確かめないから

②欲求を満たしてくれるから

③解釈の仕方を教えてくれるから

 

になります。注意してほしいのが②の欲求を満たすところです。この欲求とは自分たちより上の機関に責任を取らせたいからです。人間は何かあったときにとにかく誰かに責任を取らせたいのです。魔女狩りがまさにそうです。人間に降りかかる災いはすべて魔女が原因だとされて拷問やら処刑やらが横行しました。

 

また、私達は秘密を知りたいがためにゴシップに興じます。別に自分には何も関係ないないし、知ったところで何も変わらないのにです。自分だけが知っている情報を「これ実は秘密なんだけどは...」という調子で話したがるのです。

 

このように人間は好奇心が旺盛です。そんな人たちに向けて発信される情報の内容はとても面白く、注意を引くようなものが多いです。だから、注意が必要です。

 

隙を見て私たちを飲み込もうとしてくるので本当にこれは合っているのだろうか、誰が利益を得るのかを考えて防御体制を固めておきたいところです。

 

説得を植え付けさせる

 発信者はいろいろな技のコンボを駆使して言うことを聞かせようとしてきます。事実をいじったり、注意を逸らせたり、説明を速くしたり、あるいはそれらを組み合わせてくることでしょう。もちろん今まで挙げた方法以外の選択肢を使ってくるかもしれません。それでも最終的に発信者の目的は私たちを受け入れさせることです。

 

受け手である私たちが注目し、理解し、学習し、記憶させてうまいこと行動に導くように説得させなくてはなりません。そして、その説得を植え付け行動させる過程は4つあります。

  • 1つ目 メッセージを受け手の注意を逸らせるようなものにする
  • 2つ目 論点を理解させる
  • 3つ目 論点を学習し本当のことを受け入れさせる
  • 4つ目 動機があれば学んだことに基づいて行動する

 

という4つの段階を満たしていれば説得されやすくなります。たとえすべてを満たしていなくても説得を植え付けられます。満たしていなくても結果的に受け手を操ることができればいいわけです。

 

終わりに

 私たちの考えを導いて都合のよい思考だけに目を向けさせ続けることが発信者の理想の一つです。その間にある邪魔になる考え方を妨げ、私たちを納得させるように仕向けてきます。

 

嘘を流したり音楽で注意を逸らせることもしてくるので気を付けたいところです。書いていて思い出したのですが、世界の人は日本を好意的に見ているとつい数年前まで思っていました。

 

しかし、今は違います。いいと思っていない人の言葉を書き換えたり、そもそもごみ箱に捨てさえすれば世界の人に良く思われている印象を植え付けることができるのだと気が付きました。私は隠していることが発信者の知られてはまずい事実だと考えています。表に出てこない事実こそが発信者の弱点なのかもしれません。

 

              ありがとうございました。

 

参照

トルステン・ハーフェナー 「Power of secret」サンマーク出版 2019年 

A・プラトカニス E・アロンソン 「プロパガンダ」 誠信書房 1998年